第59回(社)全日本鍼灸学会学術大会 大阪大会
ご挨拶
この度、第59回 (社)全日本鍼灸学会学術大会を平成22年6月11日から13日まで大阪国際会議場にて、お世話させていただくことになりました。一言、ご挨拶をさせていただきます。
近年、医学・医療の目覚しい進歩、ならびに我々を取り巻く生活環境の整備と相まって、最長寿国、日本の我々はまさに高齢社会に突入しています。疾病構造は急性疾患から慢性疾患へとシフトし、それら疾病のほとんどはがんを始めとする、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病です。こうした慢性疾患に対して、現代西洋医学には何らかの限界があります。このような中で一般の方々や患者さんの意識構造にも変化がみられ、ITなどによる情報の急速な普及により、予防医学や健康への関心度が増し、治療選択時の自己決定意識の向上がみられます。すなわち、患者さんの行動意識は“受動”から“能動”へと変化し、価値判断の基準として生活の質 (QOL; Quality of Life) を重視した医療が求められています。
以上のような動きを背景にして、1990年頃より補完代替医療(CAM; Complementary & Alternative Medicine、通常“カム”と呼ばれる)という領域が出現しました。さらに、近年、CAMを現代医療と有機的に融合させた、理想的な全人的医療体系としての統合医療(Integrated or Integrative Medicine)という概念が提唱されています。
こうした医学・医療の新たな潮流の中で、今回伝統医学としての“鍼灸” を再度見つめ直し、新たな医療モデルとしての、全人的な医療体系を模索し、創造して、そのための基盤を形成するという想いを大会のメインテーマに込め、「統合医療と鍼灸-さらなるQOLの向上を目指して」と致しました。
特別講演として、統合医療学会理事長の渥美和彦先生に、「統合医療の現況と展望」というテーマで、メモリアル・スローン・ケタリング癌センターのDr. Gary Deng 先生にはがんに対する鍼の臨床試験について、お話頂きます。また、最終日には「癌と鍼灸」というテーマで市民公開講座を開催致します。
6月の半ば、梅雨の時期ではありますが、水の都、大阪は紫陽花の花が色鮮やかな季節を迎えます。関係者一同、実りある会にすべく、会の準備・運営に最善を尽くす所存でございます。是非とも、多くの先生方や学生の皆様に大阪にお越しいただきますよう心よりお待ち致しております。
平成21年9月吉日
第59回全日本鍼灸学会学術大会
大会長 伊藤 壽記








