全日本鍼灸学会学術大会

大会会頭挨拶


 平成23 年の第 60 回東京大会では 「日本鍼灸」 の特質に光を当て、 世界にアピールする予定であった。 しかし、 東日本大震災の影響で縮小大会になり、  多くの方々のご尽力により 「東京宣言」 こそ世界に発信できたが、 十分にその役目を果たすことはかなわなかった。 そこで今大会ではその意思を継ぎ、 日本鍼灸の特質をより深く掘り下げ、 できるだけ科学的にその優れた点を広く世界に知らしめることを目的とした。
 現代西洋医学は人類に多く貢献し発展を続けてはいるが、 そのパラダイムは今もって変わらず、 患者数や死亡率が一向に減らない疾患はまだまだ数多い。 そして副作用等の問題があり、 健康寿命を大幅に伸ばすこともまだ難しい。
 また、 現代西洋医学には医療機器・医用工学等の開発が伴うため、 発展すればするほど費用がかかるという問題も内在している。 少子高齢化が急伸する我が国では医療費の削減は必至であり、 現代西洋医学にはここに大きな課題がある。
 一方東洋 (鍼灸) 医学は、 その発展性、 或いは普遍性、 客観性などに課題があることは否めないが、 西洋医学に比べて実は本質的な内容を内在している。 それは健康増進、 全人的、 未病治といった考え方とそれらに基づく治療が世に受け入れられ存在してきたことで説明できる。 また治療に関しては、 例えば熱が出た際に熱を下げるのではなく、 むしろより発熱させて免疫力を高める治療を行うこと等でその本質性を説明できる。 そして何より、 すべての分野ではないが東洋 (鍼灸) 医学は西洋医学に比して安価で安全性が高いことが実証されている。
 人類のため、 東洋 (鍼灸) 医学が普及することにより健康寿命が延び、 医療費の削減に繋がることを科学的に証明する必要があるのではないか。 本大会をその第一歩としたいと考える次第である。                              

                                             会頭 小川 卓良



第66回(公社)全日本鍼灸学会学術大会 東京大会

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東京医療専門学校内